Memo

27話アップ/父

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とっても励みになっております。

さて、27話アップしました。
今回はやっと事件の本筋の話が進む感じです。
楽しんでいただけると嬉しいです。

さて、世間は父の日。
父の日だからというわけじゃないけど
先日叔父が急逝したのですが、その時のことをいろいろ思い返して、いろいろ思ったことがあったので書き留める。
※あくまでも自分用メモ

私は亡くなった叔父(父の兄)とは親しくなかったんだけど、父を通じて進学のための学費を借りていたので、とても感謝している。
完済はしたけど、最後にちゃんとお礼を言えてなかったのが心残り。

父は6人兄妹の末っ子で、兄は叔父だけであと4人は姉。
姉のうち2人は私が生まれる前に亡くなり、1人は私が中学の頃病死、そして先日叔父が亡くなった。
つまり6人兄妹のうち、4人が日本の平均寿命よりかなり若くして亡くなって、今は父(末っ子)と叔母(長女)だけになってしまった。

父は末っ子だから、それはもう甘やかされて可愛がられたらしい。
一番上の姉(存命の叔母)とは20歳以上離れている。
父の父(祖父:ちょっとした土地持ち)も、孫のように可愛がったらしい。

去年の秋、その一番上の姉が倒れたと、突然連絡がきた。
その時偶然帰省していた私は、飲酒していた父の付き添いで病院に駆けつけた。
叔母はヘルニアで倒れただけだったから、命には別状なかった。
けれど、父は酒癖が悪いのもあって、叔母のベッドに抱きついて「死なねーでくれやぁ」と子供のように泣いていた。

こんな父は見たことがなかったから、こっちがうろたえるほど驚いた。
私の知っている父は、見栄っ張りの小心者で酒癖が悪くて金銭感覚が破綻していて、末っ子特有の甘え上手で長いものに巻かれるみっともない大人だ。
何よりも、母に苦労を強いたいいかげんな人間だ。
母のことを考えると、私は父を非難することはあっても尊敬なんてしたことはない。
けれど叔母にすがる父を見てわかった。
この人は、「自分を愛してくれる人だけを愛する人」なんだろうな、と。
それ自体は悪いことだとは思わない。
人間、たぶん突き詰めればソレが本心だから。

誰だって、自分を嫌う人を好きにはなれない。
愛されるから愛そうと思える。
でも普通は、それだけじゃダメだと知っているから、愛される努力をし、愛する努力をする。
そこが人間の可愛いところなんだと思う。
けれど私の父には、「愛する努力」が欠如しているのかもしれない。
ごく自然に何も考えずに「自分を好きな人だけが好き」というタイプだ。
ただ、それだけなんだ。

なんだか、物凄く父親が子供に見えた。
よく言えば純粋というのかもしれないけれど・・・。

そして今回、叔父が急逝。
叔父は、私の実家から徒歩10分のところに住んでいた。
父にとっては一番頼れるたった一人の兄で、実際、私が学費を叔父から借りれたのも、叔父が私の父を可愛がっていたからだと思う。

見栄っ張りで小心者の父は、式の最中はなんでもないように振舞っていたけど、食事会でアルコールが入ると、しゃくりあげるように泣いていた。

姉と兄を4人亡くした末っ子の父。
4人の早すぎる死は不幸だけど、父が不幸だとはとても思えない。
けれど、みっともないくらい泣く父を見て、このどうしようもない人間が、こうやって4人分涙を流したんだと思うと、どうしようもない弟を可愛がった姉や兄の気持ちが分かるような気がした。