始まりの日

記憶 - 1

雨宮陽生

 淡い青空を埋めるように咲き誇る桜を見上げた。
 みなとみらい大学の学生で賑わうキャンパスの中で、満開の桜は春の生命力や新しい生活への期待を感じさせるものなんだろう。けれど、風にあおられて舞う薄い色の花びらは、アスファルトに触れるとすぐに溶けてしまう雪みたいに儚いもののように感じた。

 桜を見上げる月本を思い出した。

『桜が嫌いなんです』

 俺の高校の入学式の日、じいさんの代理で出席した月本がいつも以上に不機嫌で、その不機嫌の理由を聞いた答えがそれだった。
 そのあと、満開の桜を無表情に見上げながら付け足した言葉は、今でも俺の心に残っている。

『世の中に 絶えて桜のなかりせば 春の心はのどけからまし―――の心境ですね』

 ―――もし世の中に桜がなかったのなら、いつ咲くだろうとか、天気はどうだろうとか気にすることなく、春を穏やかに過ごせるのに。そう恨んでしまうほど、桜に思い入れがあるのです。

 在原業平ありわらのなりひらの、有名な和歌だ。
 桜を愛するあまりに穏やかになれない春の心境を歌った和歌だけど、業平は桜に重ねて他のものを見ていたと言われている。それは栄華を誇っていた藤原氏だったり、その藤原氏が持つ権勢だったり、業平が仕えた惟喬親王これたかしんのうの手には届かない天皇という地位だったり。そのどれもが、業平には叶えられなかった願いだ。
 だから、月本も同じように桜から連想する「叶えられなかった願い」があるんだと思った。それが何なのかを聞くと、月本らしくない寂しそうな笑みを浮かべて。
『桜そのもののことですよ。業平のように深い意味なんてありません』
 その言葉が本心を隠すための嘘だとわかったけど、月本が話したくないのなら無理に聞く必要もないと思って、適当に相槌を打って話を終わらせた。

 考えてみたら、俺は月本の過去を何も知らない。
 知っていることと言えば、月本がじいさんの秘書になったのが今年、つまり2009年で、それ以前は警視庁でSPをしていたってことぐらいだ。
 月本が話したがらなかったのもあるけど、俺も特に知りたいと思わなかった。それは、無意識に麻布事件以前の記憶を思い出さないようにしていたことと関係があるかもしれない。
 けれどもここに来てから、月本がどうしてSPを辞めてじいさんの秘書になったのかとか、なんで俺の教育係みたいなことを引き受けたのかとか、月本に聞いてみたくなった。
 麻布事件に関係があるからというのもあるけれど、月本という人間を、純粋に知りたいと思うようになった。
 このまま2021年に戻れないとしたら、それももう叶わないんだろうけど――――。

 初日のガイダンスが終わって、サークルの勧誘で賑わうキャンパスを歩きながらそんなことを思っていると、遠くからこっちに向かって「裁判傍聴愛好会 一緒に傍聴しませんか?」と汚い字で書いたプラカードを頭上でぶんぶん振ってる男が視界の片隅に入った。
 柔道かアメフトでもやってそうなガタイの良さのせいで目立っていたそいつの顔を見て、思わず頬が引きつった。
「嘘だろ…………?」
 なんでこんな所にいるわけ?
 俺が気づいたことに気をよくしたのか、そいつは満面の笑みをたたえる。
 間違いない。救急病棟で尾形と同室だった奴だ。半年前に尾形が入院したこの大学の付属病院のトイレで、俺と尾形の話を立ち聞きして、俺たちの関係を誤解して立ち去ったあいつだ。
「待っててーー!!」
 拡声器付きかよってくらいでっかいで叫ぶと、強引に人ごみを掻き分けて走り出した。

 ありえねぇ…………。
 もう二度と会わないと思ってたのに、よりによって同じ大学の奴だったのか。
 俺がホモだとか言いふらされでもしたらどうしよう。つーか、ホモって思われてる時点でかなりイタいだろ、俺。
 かといって逃げると追いかけてきそうだし、とりあえずここはできるだけ手短に牽制して、さっさと帰るのが最善か。

 そいつは俺の正面に来ると、相変わらずでかい声で嬉しそうに。
「すっげー! 同じ大学だったんだ!? 奇跡? これって奇跡だよな!」
 奇跡………せめて偶然と言ってくれ。こんなところで貴重な奇跡を使いたくねぇし………。
「しかもこの広い敷地内で会えるなんて、マジで超すげーよなっ! 運命としか思えねーよ」
 奇跡の次は運命かよ。っていうかテンション高すぎだろ。
 若干引き気味の俺をよそに、そいつは俺がぶら下げていた、ガイダンスで配布された大学のロゴ入りのビニール袋を見て言う。
「あ、その袋持ってるってことは1年?」
「そうですけど」
「じゃぁタメじゃん。敬語なんて使うなよ」
 そう言って二カッと笑った。
 半年前見た時は3つくらい年上だと思ってたけど、タメだったのか。
 今も短く切った髪形と俺より頭1つ分でかいガタイの良さは、高校卒業したてとは思えない。その上、思った以上に馴れ馴れしくて面倒そうな奴だ。
 そう思ったのが俺の顔に出たのか、急に顔を曇らせた。けれどもすぐに何かを思いついたように。
「あ、もしかして俺のこと覚えてない?」
「え?」
「それか顔は覚えてるけどどこで会ったっけー? みたいな?」
「は?」
「わかるわかる。そういうことってあるよなー。ほら、俺ってコレと言って特徴ない顔だし?」
「いや覚えては――――」
「大丈夫だって、これでも心は広いから」
「……………」
 出た、勘違いが多いくせに人の話を聞かない、一番めんどくさいタイプ。
「ほら、みな大病院の救急で尾形さんと同室だった深山みやまだよ。深い山に透明の透で深山透みやまとおる
「窓際のベッドのね…………」
「そうそう! 思い出してくれた!?」
 覚えてるよ。しっかり。名前は初めて知ったけど。
「でもってそっちは?」
「え?」
「名前」
「あぁ………雨宮陽生」
 仕方なく答えると、深山はリアクション芸人並みに驚いてみせた。
「うっそマジで!? それ雨宮総理の孫と同姓同名じゃんっ。すっげーよ、おまえ」
 なんでこいつがそんなこと知ってるんだよ。
 こっちのが驚いた。政治家とは無縁そうなこんな学生から総理の孫の名前が出るなんて普通ならありえない。
「よく知ってるね」
「うん、俺んちの近くに住んでるから」
 …………は?
「近くって、どこ?」
「元町。この前引っ越してきたみたいでさ、まだ会ったことねーんだけど」
 当たり前だ。横浜からこっちに引っ越してきて1年間は、ほとんど家から出させてくれなかった。
 そう思うと同時に、俺の脳内の危険信号が点滅した。
 こいつがうちの近所に住んでいるってことは、じいさんや月本と知り合う可能性が高い。こいつとは関わらないほうがいい。ただでさえ、俺が過去にタイムスリップしたってだけで、未来が変わるかもしれないのに、俺がじいさんや月本に会ったりしたら、何がどうなるか見当もつかない。回避できる不安要素とリスクは、できるだけ回避したほうがいいに決まってる。
「へぇ………じゃ、俺急いでるから」
 さっさと帰ろうとしたのに、深山が俺の肩にがしっと腕を回して横に並んだ。
「嘘だぁ。さっきからずーっとこの辺のんびり歩いてたじゃん」
 げ、こいつずっと見てたのかよ…………。
 思わず露骨に睨みつけた。けれど深山はかまうことなく上機嫌に。
「俺さぁ、さっき裁判傍聴愛好会ってのに入ったんだけどさ、新人勧誘のノルマ、ぜんぜん足りないんだよねー」
 なんだ、そういうことか。勧誘するために俺に馴れ馴れしく話しかけてきたのか。
「俺はそういうの興味ないから」
「名前貸しだけでいいから」
「絶対に嫌だ」
 コイツに関わりたくないのもあるけど、入って早々に勧誘ノルマがあるサークル、名前貸しだけで済むはずがない。
 睨み付けると、深山はにんまりと悪い顔をした。
「ふぅん。じゃ、大学中に実は雨宮陽生はホ―――っぐ…………」
 ドスッと、肘鉄でみぞおちを突いてやった。もちろん容赦なく。
 深山は腹を抱えてその場にうずくまると、涙目で俺を見上げた。
「…………ひ、でぇよ」
 俺の鳩尾攻撃は空手四段の月本直伝だ。元総理SPを嘗めんなよ。
「その先の言葉を言おうもんなら、頭からお茶かけるけど?」
 言いながら横がけの鞄からペットボトルを出すと、深山は右手で待てのサインを出してぶんぶんと首を縦に振った。
「わかっ、わかったからっ…………」
 深山は呼吸を整えて、プラカードを杖代わりに立ち上がる。そして、でっかい溜息をついた。
「はああああぁ…………内蔵破裂したかと思った。おまえ、見かけによらずすっげー強ぇのな」
「その前に言うことないわけ?」
 冷たく睨み付けると、深山は咄嗟にプラカードで鳩尾をガードしながら、
「ごめんごめん。さっきのは出来心っつーか、魔が差したっつーか、とにかく冗談だよ、軽いブラックジョーク。はははは」
 罪悪感なんてかけらもなさそうに笑ってごまかす。
 ここまで誠意がないと逆に憎めなくなってくるから不思議だ。
 そう呆れてため息をついた俺に、深山は懲りずにプラカードを見せて二カッと人懐っこい顔をした。
「ってことで今度は本当に、『一緒に傍聴しませんか?』」
「……………」
 打たれ強いっていうか、空気が読めないっつーか、調子がいいっつーか…………こいつには常識が通用しないような気がした。

杉本浩介

 北林将岱の初公判のこの日、麻布事件の最大の手がかりだった深川賢治が獄中死した。
 急性心不全だったという。朝、看守が発見した時点ではすでに心停止だったということだが。
「つまり殺されたんだろ」
 尾形は、一口ヒレカツ定食の一枚目のヒレカツに乱暴に箸を刺して、イラついたように言い切った。

 昼休み、警視庁の食堂で昼飯を食いながらお互い近況報告をしあうのが、ここ最近の習慣になっている。ちなみに俺はここ最近のヒット「鳥つけ蕎麦」をすすりながら尾形の愚痴に近いコメントを聞いた。
「どうせ看守が暴行したか薬盛ったに決まってる。だいたい人間が死ぬ直前なんてほとんど心不全だろ。そんなの死因にならないね」
 尾形の言うとおり、心不全は死因を特定できない時、もしくは特定したくない時に使うことが多い。どっちにしても、北林と繋がりのある深川賢治がこの時期に死ぬというのは、作為的なものを感じずにはいられない。
「綾瀬と同じか。死人に口なし」
 溜息が出た。

 綾瀬の死は去年の10月に自殺に断定され。何かと悪事に関わっていた男だけに、最後まで北林が殺害したという容疑が消えなかったが、殺人を証明する証拠が何一つみつからず、政治家からの圧力に押し切られる形で捜査が終了した。
 それと同時に、麻布事件の捜査本部も解散した。
 麻布事件はなかったことにされた事件だったが、総理が辞任した時点で、本当になかったことにされた。捜査本部の解散も上層部が総理へのゴマすり半分で維持していただけだから、そこは予想通りなんだが、結局雨宮夫妻の殺害を指示した黒幕がまったく分からないだけに、どうも後味が悪い。
 とは言っても、ただでさえ通常の捜査に追われて残業続きなのに、あんな複雑な事件の捜査をする余裕がないのが現実だ。
 結局、俺はあの坂崎悠真の復讐劇以降ほとんど動けず、時々尾形を手伝う程度のことしかできないでいる。
 いいかげん自分の非力さや、一向に進まない状況に嫌気が差す。

「一昨日だっけ? 坂崎に会ってきたんだろ?」
 何か新しい情報がないかと思って聞くと、尾形は味噌汁を啜りながら軽く周りを見回した。
 警視庁の食堂とはいえ表立って言えないこともあるんだろう。俺たちの会話に聞き耳を立ててる人間がいないことを確認して味噌汁の碗を置くと、少しトーンを落として話した。
「会ってきたよ。健康そうには見えたけど、精神的にはまだ不安定だったよ。敦志が言うには、正常な状態でいる時間は長くなってるみたいだけどね」
 俺も何度か坂崎に事情聴取できないか様子を見に行ったが、世の中のすべてを拒絶するように動きを止めた坂崎の姿は、ある種の壮絶さすら感じた。

 尾形の話だと、坂崎は麻布事件について「何か」を知っているはずだという。特に、鹿島弘一が殺された理由―――つまり鹿島殺害を企てた犯人を知っているはずだと。
 坂崎の周辺に関しては、まだ解決していない問題が山積みだ。
「そろそろ調書くらい取りたいんだけどなぁ」
「坂崎さんが雨宮に会えるようになったら大丈夫なんじゃない?」
 そういえば雨宮の話ができないと前にも言っていた。
 おそらく、坂崎は自分の復讐心を雨宮にも重ねて見ていたからだろうと。ということは逆に、雨宮も坂崎の中に自分を見ていたはずだ。
「雨宮は大丈夫なのか? 坂崎も気の毒だけど、あの状態の坂崎を見るのは、自分の成れの果てだって見せつけられているようなもんだろ」
「雨宮の場合、大丈夫って観点じゃねーよ。あいつにとって一番大事なことは、いまだに復讐だ。自分の手で復讐するかしないか、それに尽きる」
 他人事のように言って、コップの水を飲み干した。
「復讐か。何年経ったって、あんな惨い記憶は消えるもんじゃないからな」
「ああ。大学が落ち着いたら、また捜査し始めるだろうね。今度は免許も取ったから行動範囲が広がりそうだし」
 確かに、今年に入ってからは自動車の教習所に通い始めたり、大学に入学したりで犯人探しの方は落ち着いているみたいだが、それまでは麻布の雨宮邸の周りで聞き込みまでしていた。
 あれが復活するのか。
「おまえのライバルは麻布事件の犯人だな」
 そう茶化したつもりだったが、尾形はジロリと俺を睨みつけた。
「それ本当のことだから言うなよ。杉本さんに言われると地味に傷つく」
 しまった………地雷を踏んでしまったか。
「いや、冗談だったんだが………」
 10日くらい前に会った時には、尾形と楽しそうに痴話喧嘩していた。あれは誰がどう見ても「喧嘩するほど仲がいい」っていう類のコミュニケーションだ。
 だから、復讐心は消えなかったとしても、尾形がその歯止めになっていると思っていたんだが。
 そう言うと、尾形はフンと鼻で笑った。
「杉本さんって見る目ないよな。もし今雨宮に、犯人と俺のどっちを選ぶかって聞いたら、間違いなく犯人を選ぶね」
 自虐ネタさえ自信満々に言い切るあたり尾形らしいが、俺は、雨宮は尾形を選ぶんじゃないかと思う。坂崎悠真を見て、復讐の虚しさに気付いたんじゃないかと。
 とはいえ、本人同士にしかわからない距離感ってのがあるのも確かだが。
「まぁ、雨宮も大学が始まって気がまぎれるといいな。考え方なんてのは、生活が変わっていろいろな価値観を目にして、少しずつ変わっていくもんだ。まだ17歳なんだし」
「だったらいいけど」
 尾形は、珍しく真剣な顔つきで願うようにそう呟いた。
 こんな顔する尾形は、本当に久しぶりに見た。
「おいおい………もしかして本当におまえら上手くいってないのか?」
 思わずそう聞くと、尾形は俯いた顔を少し上げて俺を睨んで。
「去年の8月からからあいつと寝てない。つーか、あいつには付き合ってるっていう認識すらない」
「…………そ、そりゃお気の毒に」
 尾形が半年以上も我慢してるなんて信じられないが、この殺伐とした睨みから察するに本当なんだろう。いや、それより去年の8月っていうと。
「もしかして、一ノ瀬に襲われそうになったのを引きずってるのか?」
 俺の目には、雨宮が気にしてるようには見えなかったけれど、麻薬フォクシーで無理やり精神を支配されて性的な行為をさせられたんだから、多少なりともトラウマになっていてもおかしくない。
 けれども尾形は、そんなこと忘れてたとばかりに。
「あぁ、それもあるかもな」
「あれ? 違うのか。じゃぁやっぱり、同性っていうのがネックなのか?」
 雨宮が口で言うほど同性愛に対して偏見を持っているわけじゃないのはわかるが、自分がその当事者になるということとは別だ。現に俺に相談してきたこともあった。そう思って聞くと、尾形はまた。
「そういえば、それもあったな」
「そういえばって、大前提だろ」
 思わず呆れてツッコミを入れると、尾形はニヤリと性格悪そうに口角を上げた。
「違うよ。どっちかって言うと、同性とのセックスが気持ちよすぎてハマりそうで怖いって――――」
「ちょーーーーーっと待てっ」
 思わず身を乗り出して、尾形の口の前に手の平を向けた。
 き、気持ちよすぎてって――――、突然何を言い出すんだ、こいつは!
 焦った。非常に焦った。
「おまえ、時と場所を考えろっ。警視庁の食堂だぞ、ここは!」
 周囲を見回して誰も俺達の会話を気に留めてないことにホッとしつつ、声を抑えて尾形を睨み付けると、尾形は無責任に楽しそうに笑った。
「ははは、杉本さん大げさ」
「大げさじゃないだろ。変な噂が広まったらどうするんだ。困るのはおまえなんだぞ。ただでさえ庁内じゃ有名人なんだから気をつけろ」
「はいはい、わかったよ。気をつけますよ」
 尾形はまったく心のこもっていない口調で言いながら頬杖をついて、広い窓から国会議事堂を眺めた。
 その表情がいつになく陰影を帯びているように見えて、少し気になった。

 去年の事件以降、いや、雨宮が現れてから、尾形は変わった。
 一番の変化は、遊び相手からの誘いをことごとく断っていることだ。去年の今頃は毎日のように男からメールや電話で誘いがきていたのに、最近はその気配すらない。
 それに何と言うか、地に足が着いたと言うか、生活がしっかりしたと言うか、なんだか結婚して急に責任を意識した男、って感じだ。
 つまり、尾形にとっては快挙とも言えるくらいの更生だ。
 それなのに、そこまで想っている相手に応えてもらえなかったら、誰だって自信をなくすはずだ。尾形が落ち込むのもよく分かる。

 が、あれだけ節操なく遊んでた男が、なんの障害もなく幸せになるのもムカつくし、セックスレスくらい尾形にはちょうどいい罰なのかもしれない。
「ま、せいぜい頑張って口説け」
 ニヤッと笑って励ましてやると、尾形はジロリと俺を睨みつけて。
「杉本さん、ズボンのチャック全開」
「ええ!?」